鞍馬天狗に大天狗。色々いるけど天狗って何だ?

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天狗といえば赤い顔になにより長い鼻。
日本人ならぱっとその絵が思い浮かぶことでしょう。
今でもパズドラやモンスト、妖怪ウォッチを始めとするゲームやアニメ、漫画にも多く登場する欠かせないキャラですね。

でも天狗について知っているようで意外と知らないことも多いのではないでしょうか。
由来から歴史を知ってあなたも少し天狗になってみませんか?

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意外と知られていない天狗の歴史

天狗の由来は隕石だった?

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「天狗」は中国で使われている言葉でした。
そして思い浮かべるような形の人型の妖怪ではなく、凶事を知らせる流星を指します。
当時の人達は、地球に落ちてくる隕石の様子とその隕石が空中で爆発する音が、咆哮を上げながら天を駆けるおりる狗(いぬ)ととらえたため「天狗」となったそうです。

実際に、日本でも横山光輝の漫画で有名な「史記」や「漢書」といった中国の歴史書や中国の妖怪に詳しい「山海経」にも天狗は記載されています。

山海経

出典:wikipedia


当時の中国では天に災いがあると、厄災や国が荒れる予兆として考えられ、天狗もそのひとつとして恐れられていたようです。

日本に現れた天狗

日本では「日本書紀」が初出で、こちらでも流星が現れた際に、なんだあれはと大騒ぎ。
当時最先端の科学知識を持っていた唐(当時の中国)の学者にそれは「天狗」ですよと答えたとあり、「アマツキツネ」とよみが当てられるようになります。

けれどもそれ以降平安時代になるまで一切「天狗」という言葉はでてきません。
「日本霊異記」に登場する役小角は修験道の創始者として有名ですが、ここにも天狗については一切書かれていないのです。

そして平安中期に復活した天狗は「宇津保物語」にようやく姿を見せます。
宇津保物語は日本最古の長編物語で、「源氏物語」にも大きな影響を与えた作品です。

天狗は以下のように書かれています。

かく遥かなる山に、誰か物の音調べて遊び居たらん。天狗のするにこそあらめ。

註釈には、変化のもの、狐の類とあり、この頃はまだ獣でもあったことがわかります。
そして様々な書物に人を惑わす物の怪としてよく見られるようになるのです。

やがて中国の妖怪「天狐」とイメージが重なり、仏教の修行を邪魔し、空を飛ぶ魔物というイメージが定着するようになります。
この辺りで、今に通ずる天狗が少し見えてきますね。

また「今昔物語集」では様々な天狗が登場します。いたずらを僧侶に咎められ散々な目に遭ってしまう天狗、逆に僧侶をいいようにたぶらかす天狗、人々に幻術を教えまどわす天狗だけでなく、尼天狗という女性の天狗なんてのも。
是害坊絵巻

具体化してきたのは天狗が身近になってきたからかもしれませんね。

鎌倉時代から南北朝、室町時代の天狗

武家中心の政治が始まるとともに、天狗は数々の軍記物にも登場します。
中国での要素が再び蘇り、天下動乱を引き起こすという政治的な性格が強調されるようになりました。

それだけでなく、怨霊思想とも結びつき、強い怨念を持って死んだ者が天狗になるという考え方が生まれてきます。
歴史でも習った保元の乱で後白河天皇との政争に負けた崇徳上皇が天狗になったという逸話などが有名です。

怨霊が人に憑いたことを天狗憑きと称することもあったようです。

この頃容姿も大きく変化します。
軍記で有名な「平家物語」には、次のような言葉があります。

天狗と申すは人にて人ならず、鳥にて鳥ならず、犬にて犬ならず、足手は人、かしらは犬、左右に羽根生え、飛びあるくものなり。

变化する狐や二足歩行をする怪鳥から大きく変わり、人のような姿になります。
政治的な性格が強くなったため、人型であることのほうが都合が良かったのかもしれませんね。

そして今までの要素とも交じり合ったことで、今の天狗のイメージに近いものとなっていたのかもしれません。

また、体制派であった比叡山などは山伏などの修験道を邪教扱いし弾圧しました。
天狗が修験道の格好をしているのは隠喩として使われたと考えれられています。

出典:wikipedia

出典:wikipedia

室町に入ると、山伏の姿の天狗が多く登場し、人が恨みを持って化けるという天狗像は薄らいでいきます。

美しい姫をさらって妻にしたりするような悪さを始めます。ただし、鬼のように人間は食べることはしませんでしたが、恐ろしい妖怪として認識されていました。

祖霊信仰や修験道、山岳信仰と連携し、様々な形で全国に広がります。

江戸時代から明治、昭和の天狗

江戸時代は都市が発展した平和な時代でした。
建物が連なる都市では火事をおそれるようになります。

天狗は羽団扇を使い日を自在に操ると信じられ、火事は天狗のしわざと考えられてきました。
そのため火事を防ぐために神様として祀られるようになったのです。

また山間部では修験道との結びつきなどにより神様と崇められる対象となったり、「天狗さらい」「天狗礫」など人に害をなすものとして恐れられたりと様々でした。

そのように信じられてきた天狗ですが、明治に入り政府による「神仏分離令」や「修験道禁止令」が発せられ修験道は禁止されたことにより、天狗信仰へも大きく影響する可能性がありました。

けれども戦時、平時ともに天狗信仰は今までの歴史を基に流行神として信じられていきます。
戦時中「天狗様のお爪」というサメの歯の化石か何かで作られたものが出回り、出征者が身に付けると弾に当たらないと信じられてきました。

また、天狗や天狗の眷属を祭る寺社へ出征者の無事を祈り、戦争がないときも徴兵除け祈願などが盛んに行われていました。
中には天狗も戦地へ赴き、日本の兵隊を守ってくれているというものもあります。

ざっと天狗の歴史を追いましたが、時代時代で役割が大きく違うということがよくわかりますね。

天狗の種類・眷属

天狗

出典:wikipedia


天狗には様々な種類や眷属がいます。
その数は江戸中期に書かれた「天狗経」によれば48種、125,500もの天狗がいるとされています。
また神格化された大天狗などには名前があり、文献にも多く登場します。
大天狗の多くは飯綱権現例外はあるものの「鼻高天狗」であり、またクチバシをもつ半人半鳥は「烏天狗」「木の葉天狗」「青天狗」などと呼ばれており、人間が鼻高天狗になる途中の姿とも言われています。

大天狗でも八大天狗と呼ばれる有名な天狗がいるので、簡単にご紹介します。

  • 愛宕山太郎坊・・・京都の愛宕山を守る天狗。源平盛衰記にも登場します。
  • 比良山治朗坊・・・比叡山にいた大天狗が比良山に移ったと言われています。また太郎坊の弟分ともされています。
  • 鞍馬山僧正坊・・・源義経が幼い時に剣術を教えたとされている京都鞍馬山の大天狗。
  • 飯綱三郎・・・長野県飯綱山に住む天狗。戦国武将に愛され、火防の神としても有名です。
  • 相模大山伯耆坊・・・神奈川県伊勢原市の大山に住む天狗。元々の天狗は崇徳天皇を慰めるため、鳥取から移住してきました。
  • 彦山豊前坊・・・福岡県と大分県の境にある英彦山に住み、九州の元締めと言われています。
  • 大峰前鬼・・・修験道の開祖である役小角が使役した天狗。元々は鬼であったが、改心し大峰山の守護となりました。
  • 白峰相模坊・・・「保元物語」「雨月物語」など多くの文献に登場。配流された崇徳上皇を慰めました。

また、天狗自体も妖怪ですが、天狗のしたコトも妖怪として扱われます。
こちらもいくつか紹介していきます。

天狗たおし

山に泊まりこみで働く、樵(きこり)や炭焼きが出会った妖怪。
夜中にきの倒れる音がし、翌朝見に行ってみると倒れた様子などひとつもなく、
また気を切る音折れる音はしても木が地面についた音はなかったなど、音にまつわる怪異になります。
宮城県では「カラキガエシ」、福島県では「ソラキガエシ」「キリキリボウ」、岩手県遠野では「天狗なめし」と呼ばれています。

天狗憑き

天狗に憑かれると武器を一度も持ったこともないような娘が、突然天狗を名乗り、武術を伝授するといい達人が如く剣術を披露したといわれています。
天狗憑きは狐憑き、狸憑きなどと同様に憑物の一つのようです。
武術に長けているというのが天狗らしいですね。

天狗礫

天狗礫

出典:wikipedia


狩猟を目的として山に入ると、まるでどこかから石が投げられたように降ってくる怪異。
この石に当たると必ず病気になり、この怪異に遭遇するとその日は不猟になるとも言われています。
明治時代の新聞にも天狗礫が確認さてれいます。

天狗火

天狗火

出典:wikipedia


主に水辺に現れる赤みを帯びた火の妖怪。仏道修行を邪魔する妖怪でもあります。
天狗が超能力によってもたらすといわれ、主に天狗の中でも水辺に住む「川天狗」の仕業とされており、また天狗礫の発する光という説もあります。
この火に遭遇すると、必ず病気になってしまうといわれ、回避をするにはすぐに地面にひれ伏して見ないようにするか、頭の上に履物を乗せるとよいそうです。
天狗の漁撈(てんぐのぎょろう)、松明丸(たいまつまる)とも呼ばれています。

天狗さらい

天狗隠しともいわれ、主に江戸時代では子どもの行方がわからなくなると天狗の仕業とされました。
数ヶ月から数年後さらわれた子どもは戻ってくると言われており、その子どもから聞く話も実際に足を運ばなければわからないようなことを話すため、強く信じられていました。

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最後に

いかがでしたでしょうか。
天狗についてはまだまだ様々な面白い逸話やことわざなど多くあります。
もっと天狗になりたい方は色々とこれを機に調べてみるのもいかがでしょうか。

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